自転車屋の店員「聞かないで安物を買うやつは数年後に失敗したと気づきますから」

自転車屋でパーツを見ていたら棚向こうから店員らしき年配男性の声が聞こえてきました。

「人の話をちゃんと聞く人は損をしない買い物ができるんですよ。聞かないで安物を買うやつは数年後に失敗したと気づきますから」

会計に向かう途中で声の方を向く親子らしき母親とまだ幼い女の子が見えました。お子さんの自転車を探しにきて店員に説明を受けていた様子です。母子相手だからか店員の声は自慢げでした。そしてぼんやりした違和感が湧きました。

「客があなたの意見に従って誰が損をしないのか?」

専門家の意見は重要です。特に情報が少ない場合、オーダーメイドや一般向き雑誌等が乏しい領域では貴重な情報源です。でも大量生産された自転車では話が変わります。一般向き雑誌でもインターネットでも情報を入手できる物について「店員の話を聞かないと損をする」程度の情報提供には価値がありません。

その場の商品情報を迅速に入手できる、あるいは具体的な問題点が述べられるなら分かります。手元でカタログを指差していたかもしれません。弟妹がいることを知っていたかもしれません。でも聞こえてきたのは「俺のおすすめ買ってよ」です。デザインの好き嫌いもあるのに、それだけ言われて母子はどう選んだら良いのか。

実際、自転車は高めを選んだ方が長持ちしたり走りやすかったりします。ただ、2~3年後にほぼ確実に買い換えるだろう(買い換えるべき)状態では安めの値段帯から選ぶのも賢い選択だと思います。安めの値段帯に問題のある自転車を置いているならその通り説明すべきでしょうし。

「客があなたの意見に従って誰が損をしないのか?」

この場合は店員かなと思ってしまいました。

シティサイクルに関する知識がコモデティ化したから専門家が不要』とかではなくて店員の発話目的がおかしいなと。